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スマガスペシャル

  • Posted by: harusui
  • 2009年7月 2日 00:47
  • game


「ごらんの有里様だよ!」
絶妙すぎワラタ。

FDなので当然ではあるがスマガに愛のある人向け。つか補足エピ満載で前作と合わせて「スマガ完全版」くらいの勢いなので、スマガ好きであればやるべきもの。
まさかロボミラまでフォローしてくるとは思いつきもしなかったよ。なんだか切なくてアレなんだけども、その心意気には嬉しいものがある。

ハッピーエンドなんていらない。
前作で大きく支持を得たハッピーエンドへの指向性。それを切って捨てた今回のこのコピーは、前作を気に入っている人ほど不安要素として二の足を踏ませるかもしれないが、そういう心配は全く不要であると添えておく。GO! 俺ら。

スマガといえば、ipodに突っ込んで毎日リピートしちゃうくらいの素晴らしすぎるVo曲群も特徴。今回はFDでもあるし数は少ないんだけど、OPの「Perfect loop」はこれまたいいよなぁ。何度でも繰り返して聴ける。実は作中でFullVer.を聴けるんだけど、前回同様作品内容を端的に見事に表現しているね。あとはクライマックスでオーケン再登場。これがとてもマッチしててめっちゃ盛り上がったさ。良い使い方だった。白石くんは...ごめんなさい。

前作ではシナリオや構造に目を奪われがちだったんだけど、今回はそこらのインパクトが薄れたので相対的に中の人のGJっぷりが浮き上がったかな。全キャラそれぞれの味で魅力的だよなぁ。「ん~微妙」って部分がまったくないのはすごいことだ。去年初めて日下部を聴いた時は「いやいやいやww」とかも思ったけど、もうここまで来るとこれが正義だね。つかね、アリデッドもそうだけど芸幅広すぎだよね。尋常じゃないよね。
関係ないけど一色ヒカルと風音の声ははたまに区別がつきません...。

(以下ネタバレに頓着しない信者補正)

作品を貫くハッピーエンドスタイルと併せて大好きなのが、作品の礎となる「物語」「語り手」「聞き手」の関係性。
なので今回のイントロは私にものすごい期待を沸き立たせた。そこから「物足りないセカイ」に少しずつ舞い戻ってくる旧知の人物、というのはいい演出だった。懐かしさもあってテンション上がる。

前作キャラと今作キャラというカテゴリでボリュームを見ると、数量の関係上どうしても前作寄りになってしまうこともあって、中だるみ...ってのとはちょっと違うけども(ファンにとって補足エピは興味深いし)主軸の訴求力が弱かったのは挙げざるを得ない弱点。
しかしデネブの前髪を上げたあの絵でギリ繋ぎ止められた。個人的に。あれはやばかった。異様に強烈だった。脳がふやけるかと思った。津路参汰よくやった。序盤にあの絵があるのは印象付けとして良く機能したんじゃないかなーと思う。...私だけかね。...ですよね。

そんな弱点を抱えながらも終盤の分岐点とラストのクライマックスはそれぞれ印象的だった。

再誕シーンはイベント絵が使いまわしの二度目にもかかわらず美しく新鮮に見せることが出来た離れ業。ライター、BGM、原画、声優と全部噛みあった絶妙のシーン。詩的な...なんて言うと却って安っぽくなるけども、視覚的な表現、感情的な表現をを短いセンテンスでリズムよく押し切った。♪朝焼けの光、生まれ変われるここで~
「ねぇ、カペラ」 「なあに、デネブ」
最後に入れ替わる二人のセリフがシーンの意味づけを強調して締める。さりげない小技が印象を底上げしている気がする。直後に見せる零距離から対極への変転と、アリデッドが勢いよくカッコよくおいしく復活した流れと併せて緩急をつけた良い構成だった。

既に述べたようにメイン二人の印象が私としては大分弱く、どういう感情経緯で現状に至ってエンディングにオチたのか実はよく分かってなかった。大まかな構図は見えても茫漠として腑に落ちないというか。それでもクライマックスに「GO!俺ら」の力も借りて盛り上がれるのは、必要なものが何かを分かっている作りのおかげかね。

結局ハッピーネバーエンドは10月2日をtrue後も無限に繰り返すってことだよね。true見たあともそういう進行だったし。終わりないっぽいし。テーマに合わせてゲーム的な終わりがないってのは計らいとはしてはいいね。誰かカンストまで繰り返した人いるだろうか。

理解としては、主人公たちイレギュラーに対する解決法として、再誕で構築されたこのセカイの無謬性を信じた、というより無謬性に依存したデネブと、言葉は悪いけど柔軟に取り込もうとしたカペラという方法論の齟齬を感情的な重心で対立させ、その摺り合わせ役として主人公が...え~、なんやかんやで取り持ったということでいいのかな。
カペラはデネブの激発を許し、エトワールsはデネブの望みを理解して受け入れ、デネブがイレギュラーを許容した。日記の橋は主人公のロールを三竦みの懸け橋に見立てたもの、とするとそれっぽくまとまるか。どうか。
最後のイマーゴ撃破は本質的な禍根を断ったということだろう。デネブがイマーゴに投影したのは愛猫の死を直視できなかった、別れを直視できなかったという畏れ。たぶんそれが悲劇の糧として運命付けられたエトワールの現実と重なって彼女を臆させた。彼女にとって死は愛の負ける日だ。それを絵空事の嘘で塗りつぶしたはずなのにまた主人公という姿で現れたのがオープニングだな。
こんなところでいいのだろうか。

結局メインの印象が弱かったのはマップ移動形式にしたことでゲーム進行をプレイヤーに委ねてしまい、たくさんのメイン外エピに埋もれて間延びしてしまったせいなのかと思う。
同様のシステムを用いたものにFate/hollowがあるけども(内容的にも似通ってる気がする)、あちらはまったくそういう印象を持たなかったんだが、何が違ったんだろうな。あれは素晴らしく楽しかった。シーン単位の表現力では決して劣ってるように見えないんだけど、総価的にはhollowの後塵を拝す形になったかな。
ただBGMは異常に強力だった。驚異的。

まぁがっかりムービーでスマガ2とかいう単語も出たし、ライナーノーツで「わしのエトワールはあと80人以上いるぞ」的発言もあったので、首を長くして次を待つとしよう。ふへへ。
次は従来通り主人公の気持ちよい活躍が見れるとよい。今回あんま活躍した気がしなかったので。

ところで終了コメント1032種類とかマヂですか...。それぞれ妙に楽しいので嬉しくはありますが、スピカのアレが見れないんです。なのにエアオッパイをすでに3回くらい見てます。どういうことですか。どういうことですか。どういうことですか...。

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ニトロプラス (2009-06-26)

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