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STEINS;GATE

  • Posted by: harusui
  • 2010年9月29日 00:02
  • game

トゥットゥルー光線が落ちてこなかったりロードする度に不正終了したりスキップが全く一切機能しなかったりしょうがないからEnter押しっぱにしてたら音声無限ループに入ったりいろいろありつつもシュタインズゲートに到達し、全ての世界線をコンプリートした。
* 修正パッチ出ています。

メインルートを追っていけば順繰りにサブルートを継いで分岐してくれるシステムっていいよね。シュタゲ以外だとG線とかあんなん。なんかすごいやりやすい。

しかし、あの特徴的な絵柄はなんか不思議な雰囲気をもたらしていた。全体に振られたラメのような模様やキャラクタのぐるぐる目。目なんかはそれ表情を描くのに困るんじゃないの、とか思ったものだけど少なくともプレイする側としては余裕で受け入れてさっぱり問題にならなかったのが今でも不思議だ。逆に世界観を引き立てていたんじゃないか、とまで言うのは好意的に偏向しすぎか。

(以下バレてるのでやる予定の人は進入禁止です。)

さて、やり終えた時の第一印象としては「(製作陣は)すごくがんばったな」というものだった。
プレイ直後のタイミングで作品内容への感慨ではなく製作に意識が向いてしまうのは私の個人的な基準では次善なものではある。とはいえまるでジグザグに走っていくような読み応えや(読み応えってなんか変だな。なんて言えばいいんだろう)、短いながらもうまくまとめられた個別ルートなんかはやっていて楽しかった。

特に各個別ルートについては、あの短いボリュームでよく落としどころを捕まえてきれいに着地したものだと高く評価したい。
ルートを得るために筋を変化させるのではなく、主筋を踏まえた上でどういった可能性があっていいのかを提示したサブルートの本来的な役割を感じさせてくれたように思う。その意味ではるか子編は立ち位置としては若干特殊であろうが、一定の振幅を越えない限り特定の結末は変えられないという世界観と対峙した時の可能性の一つとして、同様の役割を果たしたと思う。

1周目の鈴羽ルートというかその前の共通のところはひっじょーうに私の好物で、こういう時間差ネタはすごい勢いで私の涙腺を刺激する。正直たまらん。
鈴羽の片道切符の跳躍シーンであるとか、店長宅の自転車のシーンであるとか、思い出すだけでなんか込み上げてきちゃうわけで、その後の展開にも同様の期待を大きく膨らませたけども残念ながらその方向性には向かなかった。それで評価が下がるわけではないけど嗜好として残念といえば残念だった。

例のピンバッジとかは、私としてはものすごい期待を抱いていたんだよね。あれ使い方によってはとんでもない破壊力のアイテムになると思うんだ。私の涙腺的に。もっとも単純なところでは鈴羽に持たせたピンバッジ。なんで使わないのさ。使えよ、もっと泣かせてよ。
結局最後に配るだけで、それはそれでプレイヤーに何かを思わせるやり方なんだろうけど、もっと使い道があったはずだ、という物足りなさは埋まらない。

個別エンドにはとりあえず触れないけども、他にちょっと気になったというか惜しかったところを。
冒頭に登場するラジ館に突っ込まないFG204と倒れている紅莉栖。これはなるべく触れないように進められていたけど、ちょっとインパクトが強すぎてプレイヤー的にはもうずーっと気になりまくっていたのが惜しかった。後で使うときにより効果的にするにはなるたけ気にさせないようにするのがいいんだけど、とはいえ難しいところかもだなぁ。
あとはオーラス。
最後の最後で紅莉栖と二人のシーンから、つるっと無機的にタイトルに戻っちゃうので余韻が引かない。もうワンクッション欲しかったと思う。他作品からパクれば例えばタイトルを入れるとかだね。想定したのはひぐらし。終わった後、一番最後に画面いっぱいにでかでかとタイトルが出るあれがとても印象的でうまいやり方だと思ったんだよね。まぁ他のやり方でもいいんだけど、どうにもあっさりタイトルに抜けちゃう作品が少なくなくて余韻重視派としては惜しいのだ。

一方感心したのは厨二病の取り扱い。
私は当初単なるネタの一つとして置いてあるのだろうと考えていた。プレイヤーへの掴みとして厨二病に限らずネタ的なものを初めにだけ置いておく作品は実際あるし、その場合進捗につれて頻度が落ちていって、最初のアレはなんだったのよ的な反発を呼び起こしてしまったりもする。
この作品でもその頻度は変化していくが、主人公が厨二病属性を得るに至った背景を描いたことで変化を納得させ、またその背景が主人公の行動理念の立脚点であると私達に理解を促し、当初に感じた「単なるネタ」から「作品を形作る基礎」へと意識を遷移させたことは作品に対する好感度を一気に押し上げる非常に効果的な意味合いがあったと感じている。

そのことを踏まえて私の最も気に入ったシーンをひとつ取り上げたい。
オペレーションベルダンディ最終フェイズにおける紅莉栖との決別を覚悟した勝利の儀式。
「勝利のときは来た!」
厨二病丸出しで、大仰な言葉で、そう叫ぶ主人公の声は半泣きで、そこからは彼の強がりと悔しさと決意とが綯い交ぜになった言い尽くせない感情が表されていて、どうしようもなく私の胸を衝いた。中の人の絶妙な演技とあわせて、作中でも屈指の名シーンであると私は思う。何回か見たけどその度に泣ける。

良かった点もそうでない点もあったけどなんにせよおもしろい出来だった。
主人公以外でもまゆりに癒され助手に萌え、中の人も全般的に文句の一つも無い。
あとダルは痩せたらイケメン。

肯定でも否定でもとにかく一切の前評判抜きにあらゆる予断を持たずにプレイしたかった。
ただただ無造作に出会ってみたかった作品だった。

STEINS;GATE
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