- 2010年9月 8日 00:28
- game
希(まれに)分を補給した夏。まだ一作目はやっていないのだけど...。
紅殻終わったあとわりとすぐさま買っていたんだがの霞外籠逗留記。
新作にシフトしてから旧作を開けるタイミングが難しい。つか複数買うとその新作すら開かない。一ヶ月という新作スパン(購入者として)は地味にきつかったり。「いい大人が買うもの調整くらいすれよ」とかのご意見には「しゃらくせえ」と申し上げておきます。
私はどうも短編が不得手らしく、読めばそれはそれでおもしろみがあるのだけれど、別に長編があるのならそこからしか選ぼうとしない。どこに原点があるのかわからないけれど私は流れていくものを見たい。
そんなわけで前回紅殻町博物誌の時に期待はずれとか偉そうなことをほざいたのは作品にそういう短編的な雰囲気を私が受けたからで、主に嗜好の問題らしく。ただあの作品にあった、「現実」にアンカーを打ち込んでおいてその周囲を漂うような「場の空気」は肌に合ったようで、今でも好ましく思い起こせる。その距離感は今思えば絶妙だったとわかる。
(以下これがどんな作品かさっぱり紹介してない感想とも言えない感想。役には立たない。)
信天翁航海録もやはり短編的な雰囲気は踏襲している。これはもうそういうスタイルだと割り切る部分だな。私としては。
今回は世界の伝承を借りてアレンジし、登場人物それぞれに穿たれた楔を除いていく。
こういう既存のエピソードを再利用したやり方はやりすぎるとしょんぼりだけど、ポツポツやられるとわりとテンション上がる。見ず知らずのお話しの中心に「それを知っている」(自分の好きなものなら尚更)というアイテムを織り交ぜられて生じる、自分と作品世界が重なり合うような錯覚は覚えると気持ちがいい。
二作品をやった私の印象では、シナリオの中で明確な解をアピールしないというのは希の特徴的な部分であろうと思う。(但し、私の鈍感さによる無理解を排除しない。)
この辺は人によっては中途半端と感じることもあろうし、浮世離れしたあいまいさに心地よさを感じる人もあろう。
どのくらいの売り上げがあるのかわからないけど、花形的な話題性を持たないのはそういう部分に因るのかなとか思っていたりする。その分ファンの人は根強いだろう。
今作もテキストは全開で希である。そりゃ希が書いてんだから希だろうよ、とは当然だが私の知識レベルでは希であるとしか言いようが無いのでとりあえず希連呼しておく。
とにかくその場の空気の醸成は素晴らしく、前回も書いた気がするけど実にそそるね。今回もつい音読してしまった。そこの君、怖くない、音読は怖くないよ。
希以外のテイストにも触れておくと、絵が良かったかと。紅殻の絵も噛めば噛むほど味が出てくる趣でネガティブな第一印象をひっくり返してくれたが、今回は一見の表情が非常に魅力的であった。元から購入は確定していたけど、OPムビで見た船長の表情は購入意欲を盛り上げるインパクトがあった。
そうそう、船長といえばクロはネガティブな展開が多すぎて不憫さに泣きたくなった。いい子なのになぁ。なんての、ストームコーラー的な設定と演出を付加してそんなシーンを増やしてくれればきっと私は嬉しかったろう。
キリリとしたクロの表情はまじかっこよす。
さて、次回作はやっぱ来年の夏かな。せめてそれまでには霞外籠逗留記やっておきたいもんだねぇ。
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