- 2007年5月 2日 00:00
- game
UBW後、謎の放置期間を経てようやくHeavensFeel終了。
実によく出来てたなぁ。
作品世界については今更言うべきこともないでせう。
加えてテキスト、グラフィック、音楽、これらの融合っぷりというか親和性の高さにも素直に感嘆。
他のノベル形式の作品と比較して、Fateの演出力や基礎的表現力の高さはちょっと頭抜けてないだろうか。紙芝居の延長線上のような作品が多い中で、時には小説を読むように、次にはアニメーションを観るかのように、シームレスに脳内に再生されていくシーンの数々はごく自然に私を引き込んでいった。
特に威力を発揮したのが、奈須きのこが書く文章。彼の書く、ある意味華美で装飾的な文章は、煽るようなグラフィックや音響効果に実によく映える。
「空の境界」や「DDD」も読んだが、個人的にはゲームテキストに特化するほうが彼の文章は生きる気がした。小説でのそれも個性的な価値のあるものではあるが。
最近ではフルボイスな作品も多いが、ボイスなしのFateがそれらに表現力で劣っているということはない。むしろ「そんなものは飾りです」とでも言わんばかりの完成度に脱帽する。
とはいえボイスがこういった作品に不要なわけではなく、きっとあるならあるで、ないならないでアプローチの仕方を変えるべきものなんだろうな、と感じる。
Fateの外郭的な完成度が計算されたものか偶発的なものか分からないけど、結果的には商業作品という言葉に耐えられるものであったと思う。
- Newer: るろうに剣心 追憶編
- Older: エマ 8巻