- 2007年1月27日 00:00
- game
閉じた輪を巡るのに絶望しても、断ち切る鋏を取り上げる必要はない。
そこから連なる線を描いて、ただ選び取ればいい。
ブラヴォー!!
と言うしかない。脱帽である。素晴らしくおもしろかった。
謎解きにはあんまり熱心でなかった私でも、妙な「やりきった感」に包まれている。
一つのモチーフに対して異なる経過をたどる別解をいくつも用意し、それを一面としただけで切り捨てずに一本の線に繋げていく構造的なおもしろさ。
1話~4話で提示されるセンセーショナルな作品世界や謎に対する興味と、救いのない結末にひたすら積もっていくだけのストレス。
5話~7話においては張り巡らされた伏線や設定を次々に回収していく気持ちよさと、それでもやっぱり致命的な断層に落ち込んでしまう結末が一層積もらせるストレス。
いよいよの最終話では、延々と繰り返す終末の中からちょっとずつ拾い集めた正解へのピースを組み上げて、溜まりに溜まったストレスをぶち抜いていくそのカタルシス!
(私としては赤坂のクライマックスシーンが超絶悶絶。あんたはどこの完璧超人だ。「助けにきた!」って...くわっ!!バカッ! 赤坂のバカッ! 萌え殺す気か! あまりにもシビレまくったので60億トキメキ進呈。)
そんな中で各シナリオを全体に対する役割だけに埋没させず、それぞれのドラマとして描いた緻密さ。
そして、これらを編んで綴じて一つのエンターテイメントとして表現しきった発想と技術を称えたい。
中でも私を捉えた一番の魅力は、軸がぶれない強さだ。
作者は自分の表現したいことが何かをきちんと見据えていて、そのためにすべきことを理解している。そこから逸脱することがない。
ひぐらし風に言えばそれは強い意志であり、運命的な強制力でもある。
その姿が少々歪であっても、媚びずに、真っ直ぐに突き出されるから私達に強い訴求力を持つ。
だから、目が離せないのだ。
さて、これでやっと「礼」に入れる。
でも「礼」が終わっちゃうと後がないのは寂しいなぁ。
↓原作はamazonで見れないのでPS2版を...
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