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EMERGING

  • Posted by: harusui
  • 2004年12月27日 00:00
  • comic

実はかなり期待していた作品。二巻キター、と思ったら完了してしまった。打ち切りか予定通りかは知らないが、想像以上に唐突な終わり方だったのが残念。色々難しいのかもしれない。

数年前だが、P3施設を見学したことを思い出した。そのときは水族館で魚を眺めるのと同じ様な気持ちで見学したのだが、本作を読んだ後ならまた別の感慨がうかんだのかもしれない。
作中では、日本国内には稼動しているP4(*作中表記はBL4。BSL:BioSafetyLevelと表記するほうが一般的らしい。PはPhysical containment。具体的な使い分け方は知らない;)施設はない、と書かれているが、実はアジア圏まで広げても一箇所もない。国内はおろかアジアでレベル4が発見された場合、CDCに頼るしかない現実のようだ。
国内でのP4施設の必要性を訴える機運は高まっているし、実際に感染研と理研にはP4施設があるものの、諸々の事情で稼動していない。法整備が立ち遅れているのも一因だろう。国内では、住宅街に普通にP3施設が建造されているのをご存知だろうか。アメリカでは、住宅街や公共の場所には建造してはいけないことになっているようだ。(聞きかじり系の知識なので違ってたらスマン;)
法整備とともに、国民の意識の低さも立ち遅れていると感じる。SARS騒ぎをまだ覚えてるだろうか。ある男性社員は、空港検疫所から国立病院に(疑い症例で?)直接搬送された。検査等で否定されたものの、7日間の(通院による)観察期間を設けられた。ところが会社はその経過を待たずに、男性社員に海外出張命令を出したという報告があるくらいだ。

実際に本作のような出来事が発生した場合の混乱は、作中の比ではないように感じる。爆心地は都内になっているが、これが地方だったらどうか。隔離病棟や陰圧室の数など極々限られているし(←想像入ってます;)、発症者が十数人で医療圏でのキャパを越えるのではなかろうか。(←調べてません。しつこいですが想像です)

まぁ怖いうえにいろいろ考えさせる作品です。一見の価値あり。

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